独立7年目の2021年を振り返る

DIYしたデスク

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今日(2021年末)で独立から丸7年。あっという間ですね。コロナウイルスが2年以上も蔓延し続けるとは予想外だったけど、そんな中でも生計を立てていられるのはありがたいことです。今年はこの一年だけでなく、フリーになってからの7年間について振り返るとともに、来年だけではなく、先々のことを考えてみました。

過去7年間の振り返り

独立した年は会社員時代の蓄えもあり(いまもまだあるよ笑)、どうやって仕事をしていくかを考えつつ、等身大ダンボールアイアンマンを作っていました。これは代名詞的なものとなり、その後のお仕事のきっかけにもなっています。フォトスタジオに持ち込んで撮影しておいてよかったです。やはり見栄えが違います。

初年度はダンボールアート制作をご依頼いただいたり、ダンボールに関係するお仕事のご相談をいただけたりしました。本当にありがたいことです。

ただ過去に何度も書いていますが、最初からダンボールアートだけで生計が立てられるとは思っていないので、収益の柱になるようなものを作らねばと常々考えつつ、その過程で自分にできることを行ってきました。独立に際してダンボールアーティストなどという肩書きを選んだ理由は、実績もなく無名の私が多くの人に名前を覚えてもらうため。デザイナーとかクリエイターでは覚えていてもらえそうにないけど、これなら印象づけになるかなと。その目論見はうまくいったといえそうです。

元々は会社員のときにブログでダンボールアートのことを発信したのがきっかけで、テレビ局やディズニーから制作依頼があり、独立後もウェブメディア、雑誌、テレビ局などから取材や制作依頼が絶えず、毎年メディアに露出しています。

ただそれだけでは収益的に不十分。最初は目の前の仕事をこなしつつ、肩書きを活かしながら、ダンボールや紙といった素材で製品を作ろうと試みました。様々なダンボールや紙の製品を購入し、サイズや価格、ターゲットなどを分析。小さいものが多いのは流通や在庫保管時の合理性を考えているからだと学び、2018年にスバコという独自製品を開発したときには送料の安いクリックポストの大きさに収まるよう設計しました。

開発コストはクラウドファンディングで賄えましたが(主に知り合いからの支援で本当に感謝しています)、特許や商標の分は自腹。正直、そこまでする必要はありませんでしたが、まあこれも学びですね。

製品開発に多くのエネルギーを使ったものの、こういうことは1人で考えていては駄目で、より多くの人を巻き込んで意見をもらいながら磨きをかける必要があったと思います。一応少しは意見を聞いたけど、自分と同じ熱量で考えてもらうのは難しかったです。形にすることを急いだ結果、製品に自信を持てなかったところがあり、販促に力を入れられず、今年は在庫を処分してウェブサイトも閉じました。

一方、独立当初は考えていなかったことが仕事として考えられるようになってきています。3DCG(CG)です。CGは長年趣味として続けており、主催しているC3DというCGコミュニティも今年で16年目に突入。ダンボールアートはCGソフトで設計しており、私にとってはCGを使った表現手段の1つです。

これまでCG業界に身を置いたこともなく、中途半端なスキルしかない私のようなものが、CGを仕事にできるとは考えてきませんでした。しかし勇気を出して面識のあった映像制作会社の方に声をかけたところ、気持ちを受け止めていただけて、いまでは不定期に仕事をいただいています。CGソフトはダンボールアート以外のデザインでも使っており、3年前に手掛けたある案件のクライアントから先頃、再びお声がけいただきました。

昨年はコロナの影響で消滅したダンボールアート関連のイベントもありましたが、今年はイベントで作品を展示していただけたり、メディアからの制作や執筆のご依頼もいただくなど、状況は好転しつつあります。

C3Dはコロナの影響で2020年からオフライン勉強会を開催できていませんが、それがオンラインイベント開催につながりました。そのために開設したYouTubeチャンネルでは、9月から私が使っているCinema 4DやRedshiftというソフトの情報を配信開始。すると3ヶ月ほど経って、開発元のMaxonにウェビナーやツイッターなどで紹介され、公式YouTubeチャンネルでは発信した内容の一部をまとめていただけました。とても光栄ですし、これはまた次のステップにつながるでしょう。

フリーランスになってからの7年間、自分がやってきたことで何が結実しているのかを振り返ると「情報発信」というのが大きいことに気付かされます。今年もそのお陰でマインドマイスター公式メディアで執筆をさせてもらったり、モーションエレメンツ主催のウェビナーでお話させていただいたりしました。

もちろん情報発信にせよ、ダンボールアートにせよ、続けてきたからこそお仕事になっています。私はいつも初めてお仕事をいただく方には、どうやって私を見つけ、なぜご依頼いただけたのかを聞いていますが、ウェブの更新が途絶えていることを理由に他の方を選択肢から外したというお話もありました。

よく聞くお話ですが「続けることがもっとも難しい」というのは本当だなと実感します。自分自身、続いていることもあれば、そうでないこともありますし。と、独立から現在に至るまでをざっくりと振り返ってきたところで昨年末に掲げた目標を確認すると、次のようなことを書いていました。

  • CGの受注案件は現状維持
  • 個人作品は引き続き作る(CG・ダンボールアートともに)
  • オンライン配信を積極的に行う(CGとできればダンボールアートも)
  • ダンボールアート設計図のオンライン販売

CG案件が平行線なのは積極的に仕事を取りに行っていないためです。まだその準備ができていません。ダンボールアートの設計図販売はとりあえず始められましたが、もう少し力を入れないとスバコと同じ道を辿ってしまうかな… でもスバコとは違ってデータ販売なので、在庫リスクはありません。

YouTube配信は思い立ってから始めるまでに時間がかかりましたが、その分、スタートダッシュできました。順調な滑り出しと感じています。個人作品は来年に持ち越しですが、これは仕事にも関わってくるのでもっと力を入れないといけません。

2021年の大きなできごと

今年もっとも大きかったできごとは「キラリモンスター ちょっと変わった偉人伝」という書籍に錚々たる顔ぶれと一緒に掲載していただけたこと。著者の小川さんは、昨年、コロナで影響を受けた人達の支援目的で「おうちでバザー」というオンラインイベントを企画。そのときにお声がけいただいて子ども向けのダンボールアートイベントを開催したご縁があり、掲載していただけたんですが、まさかこんなにもすごい人達が一緒に載っているなんて知りませんでしたよ… 小川さんには大感謝です。

もう1つの大きなできごとは、仕事環境に思い切ってテコ入れをしたこと。これの何が大きかったかって、出費が(笑)机の入れ替えがきっかけでしたが、どうせやるなら徹底的にとカーテンを変え、YouTube配信用のマイクを買い替えてそれに合うマイクスタンドやオーディオ・インターフェースなども導入。

もっと安価な製品はいくらでもあります。でも例えばマイクなどはYouTube配信の質にも関わる重要なもの。また仕事場は毎日もっとも時間を使う場所なので力を入れました。アーロンチェアなどは購入時15万円ぐらいしましたが、もう16年も使っています。今回購入したものも10年ぐらいは余裕で使えそうだしということで妥協せず。毎日充実しています。

2022年とその先の目標と展望

今後について書く前に、この7年でうまくいったことをまとめると次のような感じ。

  • オウンドメディア運営(個人ブログ、note、C3DウェブサイトとYouTube)
  • ダンボールアート制作
  • CG制作
  • 執筆・セミナー登壇

オウンドメディアは何か売りものがあれば宣伝に役立ちます。ダンボールアートやCG制作、執筆、登壇などは楽しくやらせてもらっていますが、すべて個人でやっていることなので怪我や病気のリスクは常に考えないといけません。特にある程度の年齢になるとそのリスクは高まるし、高齢の親のことなど家庭の事情も増えてくるし。

独立当初から考えている製品販売は、人を雇って自分の代わりに動いてもらうことも可能です(人を雇えるぐらいまで成長させなければいけませんが)。こちらはまだ結果が出せていませんが、きちんと形にしていきたいと考えています。そんなわけで中・長期的視野で考えたときにやりたいことは次のとおり。

  • 製品販売(ブランド作り)
  • C3Dの収益化
  • CG案件の拡大

過去の製品はダンボールアーティストという肩書きに縛られ、ダンボールや紙という素材にこだわりすぎました。しかしそのような素材で作った製品の需要は高くありません。売れにくいものを作っていたんですよね。次はきちんと市場を考えて売れるものを形にしていければと。そんな当たり前のことも1人でやってると近視眼的になってしまうんですよ。

C3Dは個人運営ですが多くの人達が参加してくれることで成り立っているコミュニティだし、ウェブやYouTubeで配信している情報も誰かの役に立つものなら、私がいなくなっても残したいです。そのためにも収益化して、複数人で運用するような体制にしたいところ。

CG案件の拡大に関しては、まず人に見せられるものを作らないといけませんよね。ダンボールアートはポートフォリオがありますが、CGの方はないので、作っていこうかなと。CGは趣味と実益を兼ねているので、作りたいものと作るべきものをわけて進めようと考えています。重なるところもありそうですが。

そんな展望を踏まえて、来年やろうと思うことは次のとおり。

  • CGのポートフォリオ作り、CG案件の開拓
  • C3D YouTubeチャンネル 登録者10000人
  • 新たな製品販売について考える

CGに関しては、少し前までは習作のようなものをよくSNSに投稿していましたが、今年は方向性を考えたり、制作能力の地固めのようなことをしており、投稿はほとんどしていませんでした。来年はポートフォリオに加えられるようなものを作って投稿していこうかなと考えています。

C3DのYouTubeチャンネルでは最初から様々な展開を考えていて、現在配信している特定のCGソフトのチュートリアルはその1つ。今後はCGソフトの種類を問わない情報や、CGソフトを使っていない人にもコンテンツとして楽しんでもらえるような映像なども配信していく予定。CG制作者向け情報で日本語だけでは限られた人にしか見てもらえませんからね。登録者1000人ぐらいが無難な目標だけど、達成できそうな低いものではなく、あえて難しそうな高い設定にしてみました。

製品販売に関しては、最初から大掛かりなことを考えずにテストマーケティング的な感じで小さなものを作って販売していけるとよいかなと考えていますが、1人であれもこれもというのは限界があるので、優先順位としてはCGやC3Dの方です。ダンボールアートやライティング、登壇などはこれまでどおり待ちの営業。

具体的な目標を設定し、達成する

目標を達成する方法は極めてシンプル。具体的な目標と期限を設定し、逆算し、それを消化していくだけです。例えば1年後にYouTubeチャンネルの登録者数を1万人にするために1日あたり何人に登録して貰う必要があるかを割り算。そのための施策を考えてトライ&エラーします。

シンプルなのは手法であって、目標の達成はハードルが高ければもちろん簡単ではありません。あと目標達成のためにすべきことを明確化する(解像度を高める)ことが難しいところです。そういうのって法人であってもきちんとできているところの方が少ないんじゃないでしょうか。

本当にそんなことできるのかと思われるかもしれませんが、やってる人はいます。ちょうど最近読んだnoteの記事がその端的な事例です。

ニートが10万円で映画を作ったら、全国上映が決まった話

他にも大谷翔平さんがマンダラチャートを使って目標達成のためにやることを明確にしていたのはとても有名だし、そういう話は探せばいくらでも出てきます。最終的には「やるかどうか」であり、自分次第です。

妻や親、周りの皆を幸せにするためにも自分がもっと頑張らないとという思いでいっぱい。2022年は再スタートのつもりで頑張ります。どうぞよろしくお願いします。