金沢工業大学主催のハッカソンにクリエイターとして参加、三位入賞しました!

鼓門

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2018年3月に金沢市内で開催された、金沢工業大学主催のハッカソンにクリエイター(メンター)として参加し、三位(ネスレ賞)入賞しました!

金沢工業大学の学生を中心とした活気あふれるイベントでしたよ。

ハッカソンとは

ハッカソンは「ハック(hack)」と「マラソン(marathon)」を組み合わせた造語で、与えられたお題に対して短時間で成果物を作ってしまうというイベントです。

「ハック」という語源からもわかるとおり、元々はプログラマーなどエンジニア系の人達のイベントで、数時間から数日のイベント期間中、夜を徹して取り組むこともある過酷な部分をマラソンになぞらえているのではないかと思います。

現在ではもう少し広い意味でハッカソンという言葉が使われるようになっていて、ハードウェア、アート、音楽などの分野でもハッカソンが行われているそうです。詳しくはウィキペディアをご覧くださいまし。

金沢工業大学から声がかかった経緯

岐阜県在住のダンボールアーティストいわいに、金沢工業大学(KIT)からお声がけいただいたきっかけは、ロフトワークとの出会いに遡ります。

ロフトワークはクリエイティブ・エージェンシーで、様々な企業のブランディングやウェブ制作を行うほか、私のようなクリエイターの支援など、クリエイティブな分野で幅広く活躍している企業です。

私はロフトワークが運営する渋谷のFabCafeに遊びに行ったりロフトワークがメディアパートナーとなっていたデザインコンペで受賞したりとか、色々と接点がありました。

そのご縁で昨年9月に開催されたキャンプ型ハッカソン「里山で創るエデュテックトイ」に招かれて参加。KITとは、そのときにご縁ができました。

兼六園 石川県で開催されるキャンプ型ハッカソン「里山で創るエデュテックトイ」に参加します

KITは金沢市内から少し離れた白山に新たにキャンパスを設置し、そちらを中心として様々な意欲的な取り組みを行っていく予定で、その内容はHakusan Creative Biotopeという特設ページに詳しく書かれています。

昨年はKITがこれまで何度か行ってきたハッカソンのプロデュースをロフトワークが担当し、Hakusan Creative Biotopeのプレオープンイベントの一環として開催され、私はロフトワーク側から声がかかり、このイベントに参加したというわけでございます。説明長かったですね(笑)

今回のハッカソンは従来通り、KITが主催となって金沢市内で3日間に渡って開催されました。

ハッカソン初日は趣旨説明、チームビルディングやアイデアソン

今回のハッカソンは、金沢市内の中心地である武蔵をアップデートさせるというもの。初日は午後からの開始で、チームが顔合わせを行い、趣旨説明などが行われました。

チームビルディングでは「マシュマロ・チャレンジ」というゲームを行ったのですが、これが大人数名で取り組んでも中々難しい。乾燥パスタ、マシュマロ、マスキングテープなどを使い、タワーを作るんですが、マシュマロは一番上になければいけません。

制限時間は18分なので、乾燥パスタなんて立つの?どういう形にすればいいの?なんて話をしていると、あっという間に時間がなくなります。話しながら手を動かし、時間内にできるだけ高いタワーを作り、てっぺんにマシュマロを挿すことに全員で取り組みます。

結果は私達のチームが70cmのタワー建立に成功し、ダントツの1位!8チーム中、過半数がタワーを建てることすらできていませんでした。ちなみに世界記録は99cmだそうです。こちらが1位のマシュマロタワーでございます。

マシュマロタワー

初日は半日しかなかったこともあり、アイデア出しなどを行っていたら、あっという間に終了。夜は関係者との懇親会。

2日目は作り込み本番、最終日は午後からプレゼン、結果は三位入賞!

2日目はアイデア出しの続きから実際の作り込みへ。今回は武蔵のアップデートという少々ぼんやりとしたテーマで、まず最初に解決すべき課題の設定が必要でした。

地元の人からは、近江町市場(金沢駅から徒歩10分程度)に観光客が押しかけて市民が利用しにくくなっているとか、その観光客が実際にあまりお金を落としていないのではという話がありましたが、詳しく聞いていくと本当かな?と思えることが。

市民が市場を使えないというなら、どこで買い物をしているのかを聞いてみると、普通にスーパーで食材を購入できるし、車で30分ぐらいのところに別の市場もあり、そちらも使えるとのこと。

金沢全体で考えると、観光客によってもたらされる経済効果は大きく、客観的なデータもあり、近江町市場に観光客が来ること自体は課題とは考えにくいです。

ただ武蔵という地区全体で考えた場合、観光客は駅から近江町市場に直行するため、周辺には観光客が少なく、もう少し均等化できるとよいかなということになり、市場への一極集中を課題として、その分散化を狙うことに。

観光客が通らない道筋のお店で手荷物預かりを行ってもらい、観光客が駅から市場に直行せず、少し迂回してもらえるようにするというのが問題解決のアイデア。具体的に作ろうと考えたものは次のとおり。

  • 地図アプリ(荷物預かり所を探せて、空き状況もわかる)
  • 手描きの地図(荷物預かり所や観光情報が掲載されている)
  • 荷物預かり所の空き状況がわかる機械のモック
  • ネスレのコーヒーを自動で淹れてくれるスイッチ

地図アプリは途中でチームに合流してくれたエンジニアが作成。さすがはIT企業勤務のエンジニア、短時間で素晴らしいアプリを作ってくれました。

手描きの地図は、チーム最年長のメンバーが担当。デジタル関係のことは強くないとのことでしたが、ハッカソンにも挑戦するという向学心旺盛な方で、頑張って地図を作ってくれました。

アナログの地図は場所はわかっても空き状況がわからないということで、ボタンを押すと、荷物預かり可能な店舗が光るという機械も必要ということになり、私がダンボールでモックを作り、LEDを別のメンバーに仕込んでもらいました。こちらがその写真。左下が金沢駅の象徴的な存在になっている鼓門、右下の赤丸がボタン、右上は近江町市場を表す魚です。

ダンボールモック

そしてもっともハッカソンらしかったのが、ネスレのコーヒーマシン、バリスタをハックしたプロダクト?です。ソニーのMESH、静電センサーなどを使って、ボタンを押すと紙コップにコーヒーが注がれる仕組みを作りました。

バリスタハック

MEMO
ちなみにネスレさんは今回のハッカソンのスポンサーとして参加されていました。

手荷物を取りに来た人が、お店に置いてあるボタンを押すと自動でコーヒーが入り、おもてなしを受けながら店主との会話に花が咲くという仕掛けです。

観光客は地元民との触れ合いが多いほど、リピート率も上がるという説があるそうで、その接点としてバリスタを利用しました。実際にはセンサーが中々反応せず、スイッチを押せどもコーヒーが出ないという状況が続きましたが、なんとか成功した場面の録画に成功。

今回のチームには、皆の話をうまくとりまとめてくれるリーダー的存在の人がいましたが、お子さんの卒園式などがあり、最終日のプレゼンは行えないことが判明。私がプレゼン担当となりました。くじ引きの結果、プレゼンの順番は最後となり、他の方達がプレゼンをする間、ずっとプレゼン資料を推敲しつつ、イメージトレーニングをして、いざ本番。

結果は三位となるネスレ賞を獲得しました!審査員の皆様にはバリスタをハックしたのが受賞の要因だったのではと聞いたのですが、それは関係なく、内容を評価してもらえたとのことでした。いや〜嬉しかった。

ネスレ賞の賞状

私がプレゼンで最後に伝えたのは、ハッカソンは様々な課題を技術で解決するというものだけど、主役は人間であり、技術はそのためのものということ。

今回は、アプリ、アナログの地図や機械、そして、おもてなしのためのコーヒーマシンなど、アプリを使えない人への配慮もあり、そのあたりも評価につながったのかなと感じております。各自が強みを活かして、成果物を作れたこともよかったですね。課題だらけでしたが、ぎりぎり入賞圏内の三位に食い込めて喜ばしいわ〜(^^

いずれにしても今回はチームメンバーに恵まれました。学生が主体のハッカソンで、私はメンターとしての参加でしたが、チームは全員大人。次回参加する機会をいただけたときは、学生の中に入って、牽引できるようにせねばと感じております。

本当に楽しいハッカソンで、関係者の皆様には心より御礼申し上げます。ありがとうございました!

いわいのあとがき

独立してからすでに3回目の金沢。こんなにもご縁ができるとは思いませんでした。回転寿司のクオリティが高いと聞いて、今回はお寿司ばっかり食べてましたが、美味しいお店はそれほど安くはありません(笑)まあでも、3,000〜5,000円ぐらいでかなり満足できるんじゃないでしょうかね。

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