片桐さんの彫刻セミナーはすべてのクリエイターにおすすめできる最高の内容だった!!

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2014年9月24〜26日に名古屋で開催された、アーティスト片桐さんの彫刻セミナーに参加してきました!!自身の造形能力を高めるために、何かを得たいと考えて参加しましたが、その期待に大いに応えてくれる内容でした。

東京や大阪などでも開催されている今回のセミナーですが、名古屋は平日の3日間という、会社員泣かせな日程。でも、参加して本当に良かった!!

ツマの勘違いによって参加できた今回のセミナー(笑)

繰り返しますが、今回の彫刻セミナー、名古屋では平日3日間を丸々使うため、最初は参加するかどうか、悩みました。

ツマに相談したところ、ハリウッドで活躍中の現役のアーティストに直接教えてもらえる機会など、そうそう無いことなので、参加したらと背中を押してくれました。

しかし、彫刻セミナー参加前夜、こんな驚くべき会話がありました。

オレ:「明日から、いよいよ彫刻セミナー。とても楽しみだわ〜♫」

ツマ:「良かったね。」

オレ:「でも、平日3日間休むのは、さすがにドキドキするよね。」

ツマ:「え、会社休むの?」

オレ:「え?だって、参加決めたときに背中押してくれたじゃん!」

ツマ:「夜だけかと思ってた。」

オレ:「絶句(白目)」

ということで、今回のセミナーは、ツマの勘違いによって後押しされ、ド平日に3日間休むという大胆な行動を取れたことによって、参加できたのでした。ツマよ、ありがとうw

いきなり粘土をこねて、各自が決めた課題を作ることに

何はともあれ、参加することになった彫刻セミナー。会場は、名古屋駅から徒歩5分ぐらいのところにある専門学校トライデントの教室を借りて、開催されました。

参加者25名のうち、ほとんどがトライデントの学生達。まあ、学生の参加比率が高いことは最初から聞いてはいたけど。

しかし、社会人も数名いらっしゃっていて、ちょっと、ホッとしました。

講義が始まると、最初は全員が自己紹介。そして、最初に講師の片桐さんから告げられた課題は、40分程あげるから、各自が思ったとおりに彫刻をしてみなさいというもの。

セミナー開始前に、片桐さんと、メールのやり取りを行う機会がありました。各自が作りたいものを事前に片桐さんに確認していただくためでした。

与えられた課題は、「生き物の構造の基本を理解するため、人間をベースにしたデザインにすること」というもの。例として、過去のセミナー参加者のデザインや写真が掲載されたウェブページを見ることができました。

クリーチャー(想像上の怪物)のようなものが目立ちましたが、人体の基本構造すら理解がままならない状況で、オリジナルのデザイン、しかも、大胆な表情やポーズのものは難易度が高過ぎると感じました。

いわいが選んだのは、想像上のものではなく、現実に存在するゴリラ。無難なテーマを選んだつもりでしたが、骨格が人とは違うため、結構、難易度が高いことに後から気付いて苦しみましたw

話をセミナーに戻しますが、そんなわけで、いわいは、40分で出来る範囲で、ゴリラを作ることになりました。

事前のやりとりで、絶対に持ってくるよう言われていた、スケッチや写真を参考に、粘土をコネコネっと。彫刻の道具を借りていましたが、使い方もよくわからないので、まずは、輪郭だけ作ろうかと。

結果がこちら。じゃがいもじゃねぇよ!!
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30秒スケッチに、圧巻のライブデモも!!

ゴリラになりたかった塊は、一旦、解体して、ここから講義の本番がスタート。キャラクターを作る上で大切な「バランス」「流れ」「リズム」について、片桐さんが詳しく説明。

また、これら三要素だけではなく、生命感を出すためにどうすれば良いのかを教えてもらいました。

その後、ポーズを検討するために30秒ごとに次々と色々なポーズを描く練習。また、近くの人に、実際に作りたいポーズをとってもらい、スケッチ。念のため、写真を撮ったりしました。

そして、片桐さんがライブデモを行いながら、彫刻を行っていく上で何が必要かを説明。片桐さんが作るキャラクターは、その場で参加者から募り、出てきたお題は、「叫び」「強そう」「尖っている」「人」「象」というもの。

これを聞いて、片桐さんが粘土造形を開始。ものの数分でこの形に。この時点で、キャラクターが見えていなければ、後からどれだけ細部を詰めてもダメなんだそうです。確かに見えてます。すごすぎる…
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デッサンでも、正しく形が捉えられていなければ、その後でどれだけ質感を煮詰めても、間違ったままになってしまいます。それと同じなんですね。

重要なのは、いきなり作りこまないこと。全体を見て、シルエットだけでわかるようにすること。また、部分的に細かく作らず、全体を同じレベルで作りこんでいくことが重要なんだそうです。

やはり、デッサンと同じだな〜と思いつつ、頭ではわかっているものの、実際には、中々実践できません。だからこそ、練習を重ねないといけないんですよね。

さて、受講者達に説明をしながら、迷いなく形を作りこんでいく片桐さん。説明のために、何度も手を止めながら作っていたにも関わらず、40分後ぐらいには、すでにここまで!!速すぎ!!
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その後、お題になっていた内容が全て反映されました。威圧感のある強そうな人型キャラクターが、口を大きく開いて叫ぶような表情をしています。アゴは尖り、鼻は象のような形。牙もあります。
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3日間のセミナーを通して、このキャラクターを変形させながら、目、鼻、口、耳など、各部をどのように捉えれば良いのかが、順々に説明されていきました。

例えば、口角が上がったときにできるシワは、筋肉と筋肉が押し合ってできる溝で、決して表面的に筋を描くようなものではないといったことを、実際に粘土を削ったり、形を変えたりしながら説明していただき、非常にわかりやすかったです。

これから絵を描くときにでも、全ての形がなぜそうなるのかを、考えながら描くことで、説得力が増し、よりリアルに見えてくると思います。

片桐さんが感じた壁、それをいかに克服したか

セミナー2日目には、片桐さんの経験談がありました。映画が好きで、その世界に関わりたいという一心で、18歳のときに渡米。19歳で有名な工房で学ぶ機会を得た片桐さん。

しかし、20代後半になり、壁にぶつかり、一時は他の仕事をしようかと考えたそうです。そのとき、それまでのある考え方を改めた結果、翌年からは驚くほど成長したとのこと。

多くを学び、経験を積んでいたにも関わらず、それが思うように活かせていなかったそうですが、考え方を変えた結果、ご本人も驚く程、急激に成長されたんだとか。

特に、若い学生の皆さんには、グッと来る内容だったと思います。ちょっと、かなり次元の高いお話のように思えましたが、いわいも常に、片桐さんがおっしゃっていた気持ちを忘れないようにしようと心を新たにしました。

詳しい内容は、彫刻セミナーに参加して、片桐さんから聞きましょうw

これが3日間の彫刻セミナーの成果だ!!

改めて、いわいが初日に作ったゴリラ。ビフォーです。
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こちらがアフター!!わずか3日で驚きの上達っぷり!!ビフォーのは、無かったことにして欲しいわ〜w
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まあ、正直なところ、片桐さんに要所で直接、修正してもらったりしているので、完全に自力ではないわけですが、また、別のものを40分で作ったとしても、セミナー受講前よりも、はるかに高い完成度で形にできると思います。

セミナーを通じて、いわいが得たもの

片桐さんがおっしゃっていた、「知識がないものは形にできない」という言葉には、とても説得力がありました。今回のセミナーを通して、それを肌身で感じました。

形を捉えて、細部を作ろうにも、自分が作ろうとしているものが、どういう生き物で、どのような構造を持っているのかを知らなければ、捉えようがありません。細部を詰めようにも、詰めようがないです。

命を吹き込むためには、想像上の生き物を作るのであっても、設定がしっかりとしていなければ、ダメなわけですね。

また、彫刻もデッサンと同じく、捉えたものを形にする技術が必要。そこが、とても衰えていることを今回のセミナーで痛感しました。

いわいが今、一番力を入れているのは、ダンボールアートです。自身の表現力や技術力を磨き、高みを目指すために、足りないもの、やるべきことが良くわかりました。

他にも、非常に単純なことですが、粘土をこねて形にするということが、本当に楽しかった!!クリエイティブの世界は、デジタルばかりになっていますが、デジタルな道具でなく、自身の手で、直接、形を作るということは本当に楽しいものです。

作ることの楽しさや喜び(そして、苦しみもw)は、デジタルよりも、粘土の方が実感できました。彫刻は今後も続けていこうと思い、彫刻の道具や粘土など、一式購入しましたよ。

セミナーの醍醐味は、このような学びだけにあらず!!最終日には懇親会があり、造形師やクレイモデラーなど、プロとしてクリエイティブなお仕事をされている方達ともつながりができました。

しかし、セミナーには、「会社員で、営業やりながらダンボールアーティスト」という、いわいを超える強者がいました!!

その人は、「歯科医でありながら、ハルク・ホーガンが好き過ぎて、独学でホーガン人形を作っている」というのです!!いわいも、かなり変わっていると自負しておりますが、軽く抜かれた感じですよw

その方の渾身のホーガンがこちら!!完成度高すぎるわw セミナーに参加すると、こんな愉快な仲間に出会えるかもしれませんよw
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セミナー2日目には、いわいのダンボールアートを持参し、片桐さんにも見ていただきました。片桐さん、ノリが良くて、ちゃんと、かぶってくれました!!

ダンボールをかぶった片桐さんとツーショット!!って、誰かわかりませんがな!!ご本人曰く、最近で一番いい笑顔だそうです(笑)
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そんなわけで、学びあり、出会いあり、という充実しまくりだった片桐さんの彫刻セミナーですが、今後も全国各地で開催されていくそうです。

ただ、片桐さんは次のステップとして、映画監督を目指されていて、今後、ますます多忙になっていくものと思われます。

また、彫刻セミナーは一度参加したら、次も参加したいと思いましたし(リピーターの方もいらっしゃるそうです)、さらに人気も上がって参加者も増えていくことが予想されます。

興味のある方は、参加しやすい、今のうちに思い切って参加することを強くオススメしますよ!!

片桐さんの彫刻セミナーウェブサイト

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