最高で全額免除となる国民年金の免除制度は制約に注意

nenkin_menzyo

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最長で2年間の国民年金が免除になります

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会社から離職票が届いたので、在職中に加入していた厚生年金から、国民年金への切り替えを行うために市役所に行きました。窓口で手続きをお願いしたところ、「免除にしますか?」との確認が。え?何それ?と呆気に取られていたところ、さっさと手続きを進めようとするのでその手を止めてもらって説明を受けました。

すると最長で2年間、最高で国民年金が全額免除になる制度があることがわかりました。市役所でいただいた冊子によると、「所得(収入)が少なく、保険料の納付が困難」なときは、「申請免除制度」が使えます。

市区町村の役所にある国民年金の窓口や年金事務所に申請し、日本年金機構事務センターで承認を受けると、正式にこの制度が適用されます。市役所の窓口担当者によると、離職票があれば、確実にこの制度が使えるそうです。

ちなみに、30歳未満で、就職が困難な場合や、学生で本人の前年所得が118万円以下の場合は、それぞれ若年者納付猶予制度や、学生納付特例制度というものがあります。

免除制度の内容

免除制度を使うと、保険料の全額、4分の3、半額、4分の1の納付が免除されます。制度が適用されれば、実際に支払う保険料は、本来15,260円のところ、全額免除なら0円、4分の3免除なら3,810円、半額免除なら7,630円、4分の1免除なら11,440円になります。

「申請者本人」「申請者の配偶者」「世帯主」のいずれもが前年(前々または前々々年)所得などの定められた基準以下であることが要件。

申請免除の承認期間は、7月から、翌年6月末までとなっています。例えば、6月末付けで退職し、7月から免除制度が適用されて全額免除となった場合、丸1年間は、国民年金の支払いを行う必要がありません。また、制度は、1度まで再申請できるため、翌年も同様に申請して、全額免除となれば、最長で2年間は、支払いが免除されます。

いわいの場合、12月末付けで退職し、1月からの申請となったため、今年(2015年)の6月までの半年分が最初の免除制度適用期間となり、再申請することによって、2016年の6月末までは、免除制度が使えます。

なお、結婚している場合、夫婦単位で計算されるため、夫が離職して全額免除に該当したとしても、妻の収入が多く、扶養控除から外れているような場合は、全額免除にはならないこともあります。

驚いたのは、この免除制度は、厚生年金に再加入するまで有効ということ。いわいの場合、起業するために退職したため、余程の理由がない限り、再就職の予定は無く、厚生年金に加入することはありません。個人事業主として届けを出しても、免除制度の有効期限内に法人登記をしても、制度は継続されるそうです。

免除制度は年金減額やiDeco利用不可などの制約に注意

免除制度を使った場合、10年以内であれば、未納付分の保険料を収めることができます。免除制度によって国民年金が免除されたままにして、再納付を行わなかった場合、実際に年金が支払われる際に減額されるそうです。(追記:その後の調べでiDecoが利用できない、年金のクレジットカード支払いができないといった制約があることもわかりました。)

市役所の窓口担当者によると、減額される期間は3ヶ月で、減額となる金額も2,000円以下とのことだったので、再納付しない方が得なのでは?と思えました(期間や金額に関しては、今回のいわいの場合に限った話かもしれません)。再納付しない場合、年金の支払額だけでなく、税金の控除にも影響するようなので、損得を考えるのであれば、そのような観点でも考慮する必要がありそうです。

ともあれ、起業目的で退職し、事業が安定するまでの間というのは、経済的には非常に厳しい状態となるわけで、このような制度は、とても助かります。

こういう話って、実際に直面しないとわからないわけですが、なぜだろう?と考えると、多くの人は会社員として働いているため、総務部の担当者とかでも無い限り、知らなくても大丈夫だし、関心すら無いでしょう。

私自身、会社員のときから、関心は多少あったものの、積極的に情報収集したりはしていませんでした。ただ、今の時代、いつ何時、会社から放り出されるかわからないので、こういうことは知っておいて損は無いかなと思ったのでした。