Nintendo Laboをダンボールアーティスト目線で考える

nintendo labo

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任天堂のゲーム機Nintendo Switchのオプションになるダンボールキット、Nintendo Laboが大きな話題になってますね。ダンボールアーティスト的な視点でこの製品について考えてみました。

Nintendo Laboの何がすごいのか?

Nintendo Laboってなに?って人は、こちらの映像をご覧くださいまし。
https://www.youtube.com/watch?v=X-RLOcV9L68

Nintendo Laboのすごさについては、ものしりな人達の解説を読んで、なるほど〜と唸ってます。私が知った情報は次のようなものです。

  • 既存のセンサーを非常に効果的に使っている
  • 自由に色を塗ったりデコったりできるなど、ダンボール素材を活かしている
  • 日本でもまもなく始まる低年齢層向けプログラミング教育を見据えた提案になっている(と思われる)
  • 任天堂は低年齢層向けコンテンツが充実していて、他社が同じ手法を真似するのが難しい

既存のセンサーをうまく組み合わせてワクワクさせるようなものを生み出しているのは、さすが任天堂という感じ。

今回の製品は当然、Switch開発時に考えてるだろうから、それをこのタイミングで隠し玉のように出してくるところも戦略的に長けているなど、色々と素晴らしい。

私はもう少し異なる視点でNintendo Laboの製品を見てみました。


追記:

Facebookページで、どの部分が「プログラミング教育を見据えた提案」につながっているのかわからないというコメントをいただいたので追記します。

Nintendo Laboの映像の中で、ノードベースでプログラムを組み立てていると思われる場面があり、このような機能をとおして、プログラムを学べるようになっていることを予測している人がいました。現時点では任天堂から公式発表はないため「思われる」としています。

nintendo-labo-program

次の写真が、プログラムを組んでいると思われる画面です。

ダンボール製品としての設計のレベルが高い

Nintendo Laboのダンボールキットは、設計のレベルが非常に高いです。見栄えもよく、組立も簡単そう。ハトメやベルトなどに異素材をうまく活用しているところもさすが。

限られたサイズの中に部品をきっちりと収めていますが、立体的な機構を考えつつ、それを平面にしたときにも無駄のないようにするってかなり難易度が高いんですよ。

nintendo labo

次の写真を見ると、部品が斜めに配置されてますよね。ダンボールを折り曲げると、折りやすい方向と折りにくい方向があることがわかります(縦横の方向がある)。部品を斜めに配置すれば、どちらか一方向が折りやすい(折りにくい)ということがなくなり、強度が増します。 ということを、いま学びました(笑)

個人でも驚くような高品質のダンボールアートを作っている人はいますが、それを誰も簡単に組み立てられるキットにするのは、形状が複雑であるほど難しいです。私は常々、販売できるようなキットを作りたいと考えているので、その大変さがよくわかるのでございます。

誰もが組み立てられるようにするためには、Nintendo Laboのように接着剤を使わずに、折って、はめ込むだけにするのが望ましいわけですが、高度な設計能力が必要です。

任天堂のような大手なら、自社でそのようなノウハウがなくても経験豊かな専門の会社に相談できるだろうし、うらやましい。

ダンボールだけど、コストはある程度かけてそう

ダンボールそのものは安価ですが、当然ながら作るものによって費用が変わります。

nintendo labo

映像では専用の抜き型と思われるものが映っており、ダンボールには印刷も施されてますね。かなりのロット数を作るでしょうから、生産設備は専用のものを用意しているのではないでしょうか。そうなると初期投資は案外大きいかもしれません。

生産の設備やコストについて詳しいわけではないけど、同じようなものを作ろうと思うと、かなりのロットを量産しなければ単価を下げるのが難しそうな気はします。ダンボールに限らず、当たり前のことかもですが。

大丈夫なのかな?と感じるところ

大丈夫なのかな?と思うのは、ダンボールゆえの耐久性の低さ。ダンボールは紙なので、濡れれば柔らかくなるし、激しい動きをしたら破れることもあります。

ゲームと一緒に使うとなれば、興奮して思わず力が入ってしまったり、動いているうちに汗をかいてダンボールが汗で濡れたり、蒸れて湿気を帯びたりすることもあるでしょう。体の油分で汚れたりもします。

価格設定が低ければ、ある程度遊んで壊れてきたら、新しいものを購入しようということも受け入れられそうですが、7〜8千円となると中々難しいのかなと。

特に発表された2つのキットのうち、ロボットの方はヘッドセットがあったり、紐を引っ張ったりする機構になっているため、壊れないのか心配なところ。子どもって結構、無茶しますからね。

ウェブサイトには次のような補足があったので、そのあたりは想定内かもしれません。

ダンボールシートや付属品の販売も行う予定です。また、付属品は市販のもので代用いただくこともできます。くわしくはソフト内で紹介しています

「イロもカタチも、直すのも、自由自在。」とのコピーも掲載されているので、直して使うことも「体験」にしてしまおうということかもしれません。このあたりは私もダンボールの付加価値として、同じことを考えています。

特に鋭い洞察力を持っている人達からは賞賛の声が多く聞かれますが、実際に市場に出たときにどのような受け止められ方をするのか、興味深いところです。

いわいのあとがき

Nintendo Laboが発表された日は、ツイッターの検索ワード上位に「ダンボール」が来るほどの反響があり、何人かの友達からも、ついにダンボールの時代が来たねとか言われました(笑)

いまのところ、Nintendo Laboにからめて何かを作ろうとは考えていないけど、もしもよいアイデアが浮かんだら作ってみようかな。そのためにSwitch買うべき?とか思ったんだけど、3万円以上もするんですね!お高いわ…

任天堂のおかげでダンボールを使った製品への注目度は上がっているかも?なので、今年中に独自製品を販売予定の私としては追い風かもしれません。(^^