農を中心とした生活が生命線になる

前回、感想を書いた「人生フルーツ」ですが、映画を観ていて農を中心とした生活が生命線になることを、しみじみと感じました。

人生フルーツ 津端夫妻「人生フルーツ」は人生の道標になる素晴らしい映画でした

農を中心とすることで最低限の生活ができる

ベーシックインカムは是か非かみたいな話をちらほらとネットで見かけたり、国によっては一部の地域でテスト導入したりという話があります。

すべての人に毎月幾らかのお金を支給して、国が最低限の生活を保証するための仕組みがベーシックインカム。いまの世の中で生きていくためにお金が必要なのは確かです。

でもお金が途切れた瞬間に生きられなくなってしまうような生き方はとても危うい。じゃあどうすればよいのかという答えの1つが、農を中心とした生活ではないかと、人生フルーツを観ていて感じたわけです。

農を中心とした生活にあって、ベーシックインカムにないものとして、もっとも大きいのは「自立的な生活を養う仕組み」じゃないかと。

人間にとって生きるための基本は衣食住。最低限という前提で考えていくと、衣類に関してはファストファッションのお陰で、質のいいものが安く手に入ります。私の場合、会社員のときから衣類はほとんどユニクロですが、まったく問題ありません。

贅沢をいわなければ、最低限の衣類は数万円もあれば一通り揃えられます。成長期の子どもは例外として。

住居に関しても、これから日本の人口はどんどん減少していく一方で、地方ではすでに空き家の問題が出てきています。場所を選ばなければ、中古住宅は安価に手に入れることができるし、賃貸でもよいでしょう。

食に関しては、少し土地があれば色々な作物を育てられます。もちろん、そこで収穫できるものだけで生活に必要な食をすべて賄うことは現実的に無理でしょう。でも食材の足しにはなるし、食費も抑えられます。

人生フルーツの中で、津端さんが「私達はお金はあまり残せないが、土は残せる」というようなことをおっしゃってました。ある程度のお金は必要だけど、津端さん達のように農を中心とした生活が多くの人達に根付けば、お金が少なくなっても、なんとか食いつなぐことはできそうです。

1円の貯蓄もなくなるというのは、ちょっと普通ではないので、そういった問題を解決するための取り組みは必要ですが、経済的に自立するためにも自らの生活の足しになる程度の作物を育てる習慣を日常の中に取り入れることは有効ではないかと思います。

田舎だと畑を持っている人が多く、作りすぎて食べられないからと野菜や果実をおすそ分けしてもらうのはよくあること。多くの人がちょっとした畑をもったり、庭の一角で野菜を育てたりすれば、お互いに食材を交換できるし、よい循環が生まれるのではないかな。

特に貧困から抜けられないような状態に陥ってしまっている人は、ベーシックインカムのような手当てをもらいながら手に職を付けるというのも大切だけど、畑を持って手に食を付けるということも必要ではないかと思うのです。

人生フルーツの中で著名な建築家の言葉を引用して、自然の大切さを伝えていましたが、貨幣制度がなかった時代から人間は狩猟や農耕で生きてきたわけで、お金がなくなると生きられなくなってしまう仕組みというのはあまりにも自然からかけ離れてしまったような気がします。

津端夫妻の穏やかな笑顔は、農を生活に取り入れ、自然を身近に感じながら生きていればこそではないでしょうか。

経済的に自立していても農がある生活から得られるものは大きい

経済力がある人は、農がなくとも生活には困りませんが、あるとより幸せになれると思います。健康を保つうえでも、農には合理的な側面があるし、土に触る生活は気持ちがよいものです。

料理が好きな人はわかると思いますが、お店で食べる料理やお菓子は驚くほどの量の調味料を使っています。家でほとんど食事をせず、外食やコンビニ食が中心という場合、かなりの塩分や糖分を摂取することとなり、そりゃ体もおかしくなるだろうなと。

津端夫妻はとてもスリムで、お腹もぽっこりしていません。90歳の修一さんは手紙を出すために自転車に乗ってさっそうと出掛けていたし、87歳の英子さんも食材を調達するために電車を乗り継ぎ、名古屋市内まで1人で買い物に行っていました。

2人とも外食はせず、コンビニも使わず、食べるものはほぼ英子さんの手料理。手料理でも濃い味付けだと外食と変わりないので、きっと英子さんの味覚のセンスがよく、薄味なんじゃないかと思います。

英子さんは孫娘にも、たくさんの手料理を送り続けていました。いまは外食が好きでも、20年もこの料理をずっと食べていれば、大人になってから懐かしくなると。

私も子どもの頃、祖母が自分で漬けた梅でジュースを作ってくれていましたが、そのときは炭酸飲料が飲みたくてしょうがありませんでした。でもいまは炭酸飲料を飲むことはほとんどなく、自前の梅ジュースの美味しさをしみじみと感じるものです。

経済力があれば、すべてを人任せにすることもできますが、心と体の健康を保ちたいなら歳を重ねても自らが額に汗して生活していくことが最終的には幸せなんじゃないかと津端夫妻が教えてくれたと思っています。

うちには畑はないので、土に触るのは庭の雑草を抜くときぐらいですが、まあそのうちどこかに畑を借りるなり、ガレージを潰すなりして、作物を育てたいところです。

人生フルーツ 津端夫妻「人生フルーツ」は人生の道標になる素晴らしい映画でした

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