岡崎100年祭のイベント用にVRヘッドセットを作りました[前編]

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「岡崎100年祭」のイベント向けにVR(バーチャルリアリティ)用のヘッドセットを制作しました!

イベント当日は子どもを中心に多くの人達がVRを楽しんでくれました。ありがとうございます。

今回は前編として、VRヘッドセット開発の模様をお伝えします。

追記:後編は次のページをご覧ください!
岡崎100年祭のイベント用にVRヘッドセットを作りました[後編]

市制100周年記念として開催された「岡崎100年祭」

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愛知県岡崎市の市制100周年を記念して、2016年7月3日(土)と4日(日)の2日に渡って岡崎中央総合公園で「岡崎100年祭」が開催されました。

当日はゲストとして脳科学者の茂木健一郎さんやタレントの山田まりやさん、杉本彩さんが来場したり、なぜか東京ディズニーリゾートのスペシャルパレードが行われるなど(笑)、かなり力の入ったイベントであることが伝わってきました。

VRの企画からコンテンツ開発、360°映像撮影などを行っている名古屋の株式会社ジャミンが、岡崎100年祭の中で開催する「100年祭遊園地」の中で、VR体験イベントを企画・運営するのに際して、私に相談がありました。

内容は「VRイベント用のかぶりもの制作」でした。

そもそもVR(バーチャルリアリティ)とは

巷では2016年が「VR元年」などといわれており、テレビやネットでも頻繁に取り上げられています。

VRとはVirtual Reality(バーチャルリアリティ/仮想現実)の略で、その言葉自体は新しくありません。

最近はバーチャルリアリティとはいわず、「ブイアール」と呼ばれています。

そのVRがこれまでと何が違うかというと、その体験をさせる機器が急速に発展し、広まりつつあるという点です。

火付け役といえるのが、後にFacebookに買収されたOculus社の製品で、最近急速に広まっているのがHTC社のVive、また大きな期待を集めているのがソニーのプレイステーションVR(PSVR)です。

Oculus Rift

Htc Vive

PlayStation VR

PSVRは予約が始まったと思ったら、あっという間に完売したという期待度の高さです。VR製品の大本命といえます。

最近Viveを体験しましたが、本当にゲームの世界に入ったかのような没入感で驚きました。

専用のヘッドセットを装着して周囲を見回すと、上を見れば空、下を見れば地面があり、ゲームの中に入りこんだような感覚となり、目の前の画面の中で遊ぶ従来のゲームとは一線を画す体験ができます。

このような本格的なVR製品は成長期の子どもへの悪影響が懸念されるために年齢制限がありますが、大人から子どもまで楽しめるスマートフォンなどを使った簡易VRといえるものがあり、岡崎100年祭ではそちらが使われました。

子ども向けVRイベント用にかぶりもの制作の依頼

2016年4月、VR関連の企画や映像制作などを手掛ける株式会社ジャミンの代表で、OcuFes名古屋の主催でもある堀之内さんから連絡をいただきました。

岡崎で開催されるイベントでVRの体験コーナーを企画・運営するので、そこで使うかぶりもの制作ができないかとのこと。

対象が子どもとなるため、利用するのは本格的な機器ではなく、スマートフォンになると聞いてすぐに幾つかの疑問が浮かびました。

まずスマートフォンを使ったVRを視聴するためのものとして、すでに幾つかの製品が市販されているのです。

有名なものは「ハコスコ」で、ダンボール製のキットを組み立てて、スマートフォンを装着すれば簡易VRが楽しめます。

しかしハコスコでは要件を満たさないとのことで、話を聞くうちにどのようなものが欲しいのかがわかってきました。

イベント用VRヘッドセットの条件

岡崎100年祭で使いたいVRヘッドセットの条件は、次のようなものでした。

  • 手を使わなくてもよいようにしたい
  • 順番待ちの子ども達がみたときにワクワクするもの
  • 男の子も女の子も楽しめるもの
  • 組み立てや脱着が容易であること

ハコスコは小さなダンボール箱のような製品で、そこにスマートフォンを差し込み、双眼鏡のように両手で持って映像を視聴します。

もしも両手を空けることができたら、例えばハンググライダーのVR映像を見せるときに手に棒を握らせるだけで利用者の体験が増すというのです。

これは実際にVR体験をしたことがある人なら理解しやすいと思いますが、確かに視覚以外に手で持つ感覚が加えられると臨場感が増しそう。

しかし手で持たずに頭に装着できる製品はすでにあり、そちらでは駄目なのか聞いたところ「それらは二眼の製品しか無く、今回は子ども向けなので使えない」とのこと。

教えてもらって初めて知ったのですが、簡易VRの製品には「一眼」と「二眼」があります。ハコスコでは両方を扱っており、わかりやすいです。

ハコスコ

一眼タイプは薄い一枚のレンズを通してVR映像をみるようになっていて、二眼タイプはそのレンズが2つに分かれています。

二眼レンズの製品はVRに加えて「立体視(3D)」 ができます。立体視も幼い子どもへの影響が懸念されるために年齢制限があり、今回は利用できないのです。

ワクワク感というのは、ヘッドセットの見た目の話です。イベントなので、体験する前から「なんか楽しそう!」という感覚が持てるものがよいということ。

これは経験豊富な人ならではの意見だなと感心しました。

このような条件を理解した上で、ヘッドセットのデザイン検討に入りました。

最初のVRヘッドセット案は女の子うけが悪そうでボツ

最初に考えたデザインは次のようなものでした。
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スマートフォンの重さを頭だけで支えようとすると、かなり強く頭に固定しなくてはいけません。

プラスチック製で強力なゴムバンドを採用した安価な市販製品(二眼)もありますが、このような製品を開発するには最低でも数十万円〜100万円以上は必要になり、今回はそのような予算はありません。

このデザインは男の子には好まれるかもしれないが、女の子うけが悪そうということでボツになりました。

意見交換から生まれた12面体のVRヘッドセット

最初のアイデアが駄目なら、どのような形がよいだろうかと意見交換をしているうちにおもしろい案が浮かんできました。

堀之内さんがみせてくれたある写真がきっかけで、過去にあるイベント用に作成した「12面サイコロ」のことを思い出したのです。

イベント用に12面体のサイコロを作りました!!

形がおもしろかったので、かぶりものとして使えないかと考えていましたが、それ以上のアイデアが出なかったため寝かしていたのですが、今回それを使おうと考えました。

早速CGでアイデアを検証。頭が入る大きさであることがわかります。
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またスマートフォンを設置する空間も確保できそうです。
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これをどうやって頭だけで支えるかなど課題は色々と考えられましたが、きっと多くの人の目を引く形になると確信が持てたので、この形で行くことに決定。

さて今回は長くなったので続きは次回!

追記:後編は次のページをご覧ください!
岡崎100年祭のイベント用にVRヘッドセットを作りました[後編]




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ABOUTこの記事をかいた人

ダンボールアーティスト/ブロガー。会社員だった2014年にテレビ局、ディズニーからダンボールアート制作の依頼を受ける。2015年からは独立し、ダンボールアート制作、ライティング、プロダクトデザインなど多方面で活動中。詳しくは、プロフィール・実績をご覧くださいまし。

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