独立して幸福感は増したが、会社を辞めれば幸せになれるわけではない

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2016年、独立2年目が始まりました。退職の決断には勇気が必要でしたが、現在は気力・体力とも充実していて大きな幸せを感じています。ただし、独立には向き不向きがあり、会社を辞めれば幸せになるわけではありません。

退職して変わったこと

会社を離れて、仕事の内容や生活の環境は大きく変わりました。具体的に変わったのは次のようなところです。

通勤がなくなった

現在は打ち合わせのとき以外は自宅で仕事をしています。前職では往復2時間以上かけて電車で通勤していましたが、この時間がなくなりました。

通勤時間は読書、情報収集(スマホでRSSやSNSなど)など有効活用もできましたが、疲れたときや寝不足のときは仮眠していました。

さらに年齢を重ねていくと、2時間の通勤は体力的にきつくなっていたかもしれません。

家族と過ごす時間、睡眠時間が増えた

自宅で仕事をするようになった結果、家族と過ごせる時間が増えました。通勤のために使っていた時間は、睡眠、ワンコの散歩、家事などに充てられるようになりました。

特に睡眠時間が毎日7時間ぐらいになったことで、日中眠くなることがほとんどなくなりました。短めの睡眠時間でも大丈夫な体質だと思ってたんですが、実際には足りなかったようです。

知り合いから「顔色が良くなったね」と言われることが増えました(笑)反面、スキマ時間が減ったので読書量が少なくなってしまいました。この点は改善します。

全ての能力を仕事に注ぎ込めるようになった

会社は労働への対価として、毎月の給料という大きな安心感を与えてくれます。一方で組織内での上下関係や人間関係に気を遣わなくてはいけませんし、組織が大きくなるほど分業化が進みます。

分業化によって大きな事業が運営できるようになりますが、良いことばかりではありません。例えば、新サービスは企画部が考え、販売は営業部が行うという場合、営業はそのサービスに納得がいかなくとも売らなくてはいけません。

「ストロベリー味のラーメンを10万食売れ」と言われれば、売らなくてはいけないのです。相互理解がなければ、部署間で軋轢が生じてしまうこともあります。

個人事業や小規模組織であれば、企画や販売など、多くのことを自分で考えて形にできます。私は全てにおいて自分で考えて納得したうえで物事を進めたい性格なので、ここに大きなやりがいを感じています。

頭に思い描いたアイデアを温め、協力してくれる人や会社を探し、販売方法を考え、形にしていく売っていくことがとても楽しいのです。

企画だけ、デザインだけというように、専門性の高い限られた業務範囲で能力を発揮したいという人にとっては、とても大変だと感じるかもしれません。

オンオフの切り替えが難しくなった

会社員のときは会社では仕事、自宅では趣味というように切り替えができました。自宅にいると、仕事と趣味を切り替える明確な境界線がなくなります。

ずっと仕事をし続けることもできるし、遊ぶこともできます。実際はどうかというと、起きている間はほぼずっと仕事をしています。

土日も祝祭日も関係ありません。もちろん、たまには買い物や映画を見に行ったりはしますが、収入が安定しない状況で積極的に遊ぼうって気にはなりません(笑)

じゃあ、仕事ばかりで大変かというと全くそんなことはなく、楽しいです。基本的に好きなことを仕事にしているし、自分で考えて行動することが性に合っているので苦を感じません。

ただ、色々なものを見たり、触ったり、感じたりして感性を豊かにしておかないとクリエイティブな良い仕事ができません。また、ずっと働いているといっても集中していない時間も結構あります。

オンオフの切り替えをうまく行って、仕事と遊びにメリハリをつけねばと考えています。

本業と関係のない仕事が増えた

全てわかっていたことですが、会社員のときには会社側が行ってくれていたことも独立後は自分自身で行う必要があります。仕事で使ったお金を経費計上するために領収書を保管して記録を行ったり、税金、社会保険料、年金などの支払いを自分自身で行います。

事業の規模が大きくなってきたら資金繰りも考える必要があります。税理士にお願いできるものもありますが、数字そのものは自分自身で把握しておかなくてはいけません。

事業計画があまりしっかりしていない(作っていても形骸化していて本来の役割を果たしていない)会社も多くありますが、規模の大小に関わらず非常に重要な部分なので、実践を通して軌道修正を行いながら慣れていきます。

会社を辞めれば幸せになれるわけではない

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私の場合は退職してからはとても充実していて、幸福感は増しました。しかし、会社勤めの人達に安易な独立はお勧めできません。独立には向き不向きがあり、仮にいまの私と同じ状況になったとしても幸福感より不安感が大きくなってしまうこともあります。

会社に勤めていれば仕事上、大きな失敗をしても最終責任は会社ですが、独立したらその責任は全て自分が負うことになります。独立して税金や社会保険料などを自分で支払うようになれば、会社員のときには低いと感じていた給料分の金額を手元に残すためには予想以上に多く稼がなければいけないとわかるでしょう。

毎月の収入は固定ではなく、ボーナスもありません。会社員時代に長期のローンを組み、貯蓄できる余裕もないような生活をしていたのなら、毎月貯金を切り崩さなくてはいけないかもしれません。

怪我や病気で働けなくなったら、収入は途切れます。このような状況に耐えられる基盤(住居、貯蓄など)や精神的な強さがなければ、独立はお勧めできません。

厳しい側面を強調しましたが、会社のような固定給はない代わりに得られる収入の上限も自身の努力次第で上げていけます。大きく稼ぐということが、人任せ・運任せでなく、自助努力によって成し遂げられるのです。

厳しい環境であることは理解しつつも、事業の成功を夢見ています。待ち受ける困難な状況にも耐えうるやりがいを見いだせるなら、独立は良いものになるでしょう。

私はまだまだ今からですが、諸先輩方の背中を見ながら上を目指します。