記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
DMMが秋葉原に作った「DMM.make AKIBA」というものづくり施設を見学してきました。
実際にお話を聞いてわかったこともあり、とても楽しかったです。
DMM.make AKIBA – ホンモノの機材が揃う場所モノを作りたい人が必要とする、ハードウェア・スタートアップの秘密基地
Table of Contents
施設見学は無料、固定費無しのDrop-in会員もあり
DMM.make AKIBAの施設は、無料の見学ツアーを頻繁に行っており、次のページから申し込めます。
DMM.make AKIBA – ホンモノの機材が揃う場所モノを作りたい人が必要とする、ハードウェア・スタートアップの秘密基地
見学ツアーを行っている日は決まっており、各日とも定員があるため、早めに申し込んでおく必要があります。
今回の私のように施設を見学したい日に見学ツアーを行っていなかった場合は、Drop-in会員として登録するという方法があります。
登録料や固定費は発生しませんが、 ウェブでの登録時にクレジットカード情報の入力が必要でした。
Drop-in会員として登録してから2週間は、無料で施設が利用できます。
無料で使える2週間を過ぎると、12時間で5,000円という施設利用料が必要になります。
設置されている機材は何でも自由に無料で使えるわけではなく、別途有料だったり、スタッフの方の立ち会いが必要になったりします。
Drop-in、Base、Studioなど5種類の会員プラン
DMM.make AKIBAには、ものづくり用の豊富な機材を取り揃えた「DMM.make AKIBA Studio」と、コワーキングスペースやオフィス、イベント開催に利用できる「DMM.make AKIBA Base」があり、それぞれフロアが異なります。
ハードウェア開発のトータルコンサルティングを行なう「DMM.make AKIBA Hub」というサービスも提供しているそうです。
利用の都度、施設や機材の利用料を支払うDrop-inを含め、計5種類のプランがあります。
Studioプランは個人が対象になっており、機材によっては月額の固定費とは別に支払いが必要です。
Baseプランには、FreeAdress、TeamRoom for 3(3名個室 窓有・窓無)、TeamRoom for 6(6名個室)があります。
法人・事業者がStudio(ものづくり施設)を使いたい場合は、Base Plusプランを利用することになります。
Studio利用時は初回ガイダンスが、実施時間は平日や土日祝日では異なります。
各プランの料金や利用可能なサービス、初回ガイダンスの時間などは、DMM.make AKIBAのウェブサイトでご確認ください。
DMM.make AKIBA
初回利用時とDrop-in会員は裏口からしか入れない
DMM.make AKIBAは、秋葉原駅から徒歩2〜3分程度の富士ソフト秋葉原ビル内にあります。
10階にあるBaseの施設へはビルの南口から入れるようになっていますが、4階ロビーを通る必要があり、DMM.make AKIBAのカードが必要です。
このカードはBaseの各会員に発行されますが、初回利用時は手元には無いため南口からは施設に入れません。
全プランの初回利用時、Drop-in会員、施設見学ツアー参加者は、東口からStudioのある12Fに行く必要があります。
ビルの1階、東口側には立て看板がありました。
12階への入口は1階にあるファミリーマートを左手に見て外に出て、すぐ左手にあります。入口ってよりは完全に通用口(裏口)でした。
中に入り、守衛さんにDMM施設の初回利用者であることを伝えると、確認のためにメールか何かを見せて欲しいと求められ、事前登録したときの返信メールを見せたところ、通してもらえました。
これがエレベーター。完全に貨物用w
裏口にある業務用のエレベーターは、日中は物品を搬入する業者が頻繁に利用しており、また巨大な3枚扉の開閉に時間もかかるため、10分以上待たされることも少なくないそうです。
到着するとDMM.make AKIBAの看板が。
受付で事前にウェブ登録したことを伝え、Drop-in会員としての正式な手続きを行いました。
こちらが発行された会員証。名前と血液型はPhotoshopで消してます。
と写真はここまで(スマン)。
施設内で写真を撮って良いかどうかわからず(聞けば良かったんだけどねw)、ここまでしか撮影はしませんでした。
DMM.make AKIBAのウェブサイトでも紹介されてますが、Engadget Japaneseでは豊富な写真とともに施設全体が紹介されていて、見やすいです。
総額5億円の機材が使えるものづくり拠点DMM.make AKIBA誕生。シェアオフィスも備えスタートアップ支援 – Engadget Japanese
5軸CNCのことなど機材について色々と聞けました
今回は初回ということでガイダンスとして、施設案内してもらいながら説明を受けました。
お目当てだったのは工作系の機材ですが、それが置いてあるStudioは大きく「工作系」「電子系」に分かれていました。
工作系の方はドリル、グラインダー、CNC、3Dプリンタ、レーザーカッターなどのものづくり機器や、梱包した製品の振動実験ができる機械などが大部屋の中に所狭しと並べられていました。
他にはCADなどのソフトウェアが利用できる部屋など、機器の種類によっては大部屋以外の専用部屋が用意されていました。
CADソフトは高額なものも多いので、短時間だけ使わせてもらえるのは良いですね。
電子系はハンダ付けが行えたりや測定器などが置いてある部屋もありました。
こちら(電子系)はあまり詳しくないこともあり、サラッと見ただけでしたが、電子機器の設計や試作などを行うための各種機器が揃っているようです。
大部屋の中の目玉として紹介してくれたのが「5軸CNCミリングマシン(フライス盤)」ですが、私自身、一番見たかった機械がこれでした。
CNCは「Computerized Numerically Controlled」の略で、コンピュータ制御の切削機械です。
3Dプリンタが樹脂を固めて形を作るのに対して、CNCミリングマシンではアルミや木材の塊を削りだすことによって形にします。
3Dプリンタで主流になっているのが積層型と言われるもので、少しずつ樹脂を溶かして積み重ねて形にする方式。
この場合、どうしても積層痕が出てしまうことに加えて、樹脂が収縮するので精度の高いものづくりが難しいです。
一方のCNCはコンピュータ制御で削り出しを行うため、精度が高く、積層痕も無く、様々な素材が扱えます。
いいことだらけのようなCNCですが、まず機械が大きくて高額です。
さらに、お話を聞いて想像以上に経験が必要で、切削に時間がかかることもわかりました。
また、刃物の選び方や設定には経験が必要で、間違えると刃物が折れたり、素材によっては切粉に火が付いて燃えたりするとのこと。
20時間動かし続けるなどということも珍しくは無いそうで、小さなものを削りだすだけでも相当な時間がかかります。
利用経験が無い限り、施設の人の手を借りずに扱うことは極めて困難であることがわかりました。
このようなお話を聞くと、多少精度は劣るものの、個人で数時間でそこそこ大きなものが作れてしまう3Dプリンタがいかに画期的なものであるかが良くわかりました。
卓上の5軸CNCなんてのも出てきたみたいですが、安価だったとしても素人が扱えるものでは無いんじゃないかと思います。(カバーとか無いけど大丈夫なんかな、これw)
机に乗る超小型の5軸CNCミリングマシン「Pocket NC」
機材は多かったが、シェアオフィスが中心なのが意外だった
DMM.make AKIBAはウェブを見ても、ビートたけしさんを起用してStudio設備を案内する動画を流したりしていて、豊富な機材が使えることを売りにしているように見えます。
一方で見学した日は、Studioで作業する人は少なく、Base(シェアオフィススペース)の方だけが多くの人で賑わっていました。
会員プランについては本記事を書くために詳しく確認しましたが、Studioを使えるのはDrop-inとBase Plusなので、Base利用者が全員Studioを利用できるわけではありません。
そう考えると、Baseの方がより賑わっていたのもわかる気はします。
DMM.make AKIBA側にはコンサルティングのサービスもあり、ものづくりを支援しています。
例えば、個人用の3Dプリンタでは作れないようなものがあった場合、DMM.make AKIBA側にCADデータを送って、費用見積もりを行ってもらい、合意したらプリントということもできるそうです。
見学を通して施設への理解が深まったので、今後必要に応じて利用してみようと思います。
また、東京やそれ以外の地域にあるものづくり施設も、今後機会があれば見てみたいですね。