玄関ドアの鍵として指紋認証やスマートロックを導入する利点と課題

家やマンションの鍵をどこか置き忘れたり、無くしたという経験を持つ人は少なくないと思います。

そのような問題を解決しそうなのがスマートロックや指紋認証ですが、利用に際しては利点以外の面も確認しておいた方が良いです。

スマートロックとは?

「スマートロック」の定義は、Wikipediaによると次のとおりになります。

スマートロックとは、既存の錠をなんらかの手法により電気通信可能な状態とし、スマートフォン等の機器を用いて開閉・管理を行う機器およびシステムの総称のことである。2015年に多くの製品が国内で出荷開始となり、スマートロック元年と呼ばれることもある。

本年(2015年)に日本の市場に出てきたスマートロック製品を見ると、次のような特徴があります。

  • 既存の鍵付きドアにスマートロック機器をかぶせて設置(両面テープで貼付)
  • スマートフォンで遠隔操作可能
  • 誰とでも鍵を共有できる(アプリによって期限付きで解錠権限を付与できる)
  • オートロック機能
  • オートアンロック機能(権限のあるスマホを持って近づくと自動解錠)
  • 入退出履歴の管理

日本製としては、Akerun、Qrio、Ninja Lockという製品があります。

Akerunが税抜3.6万円、他の製品は税抜約2万円です(いずれも、記事執筆時点の情報)。

各社、機能に細かな違いはありますが、どの製品にも上記のような機能は搭載されています(搭載予定のものも含みます)。

Akerun

Akerun | スマートロック

Qrio

Qrio Smart Lock(キュリオスマートロック)製品情報 | Qrio製品情報

Ninja Lock

NinjaLock

スマートロックを導入する利点と課題

従来の一般的な鍵付きドアは物理鍵を紛失した場合、安全面を考えると鍵をシリンダーごと交換する必要がありますが、スマートロックならその必要はありません。

スマートロックでは物理鍵の代わりにスマートフォン(またはガラケー)を利用します。

親類や友達のスマートフォンに解錠許可を与えることにより、一定時間だけ自分以外の人が玄関の鍵を開けられるようになります。

不在時に到着した友達に自宅に入ってもらうために、外出先からスマートフォンで操作して解錠してあげるなんてことができるんです。

スマートフォンを携帯していれば自動でドアの開け閉めができるなど、物理鍵では実現できない様々な機能が搭載されています。

このような便利さの一方で疑問に思うことは、まずスマートフォンを持たずに外に出てしまったときのことです。

家の中にスマートフォンを置き忘れ、住人全員が外に出ている場合、オートロックにより中に入れなくなります。

ゴミ出しのために外に出たらロックされてしまったということはあり得ます。

またスマートフォンを持って近づくと解錠されるオートアンロック機能ですが、ドアの近くにスマートフォンを置いたままにするとドアが空いたままにはならないでしょうか。

他にも電池切れ(各社とも乾電池で機器を動かしている)の場合にはどうすれば良いかという心配もあります。

スマートロックの最大の利点はスマートフォンを使って様々な操作ができることですが、そのスマートフォンを無くしたときには物理鍵を置き忘れたり、紛失したりしたときとは別の問題が発生します。

各社ともそのような課題に対して何らかの答えは持っているかもしれませんが、少なくともスマートフォンを無くしたときに何らかの問題が発生することは避けがたいです。

知っているメーカーの指紋認証製品が見つからない

スマートロックはスマートフォンを持っている前提の製品なので、これを使いこなせる人には利便性が高いです。

しかしスマートフォンを使いこなせない世代の人達もいるし、若年層でもうっかりスマートフォンを紛失することはあり得ます。

解決策として、スマートフォンにも物理鍵にも依存しない「生体認証」があります。

静脈や網膜を使う認証機器もありますが、もっとも一般的なのが指紋認証です。

今や指紋認証はパソコンやスマートフォンにも搭載され、身近に感じられるようになっています。

ドア用にも様々な製品があるのではと期待しましたが「玄関ドア 鍵 指紋認証」などのキーワードで検索しても驚くほど見つかりません。

正確には製品そのものは出てくるんですが、聞いたことが無いメーカーばかりなのです。

需要が少ないためか、有名な企業から発売されているものは見つけられませんでした。

聞いたことのない会社の製品というのは指紋認証という安全性を求める分野においては正直なところ手を出しにくいです。

実際には私が知らないだけで、その分野では有名な会社というものが存在するんだと思いますが…

色々と探していたところ、Kickstarterでファンディングに成功したOlaという製品が見つかりました。

Olaはドアノブに指紋認証センサーが取り付けられおり、スマートフォンや鍵が無くても解錠できます。

調べた限りでは、従来の指紋認証機器はドアノブとセンサーは別々になっていますが(そのために後付可能という利点もあります)、Olaは一体型であるためにデザインもかなりスッキリしています。

Ola

Ola fingerprint smart lock. Open the door to the future.

Kickstarter発の電子機器は性能面で使えないものもあったりするので、実際に使った人のレビューを見てからでないと買いにくいというのはありますが、価格も安く、デザインも良いので指紋認証機器の中では一番惹かれました。

性能を考えるともっと高額なものを選ぶべきなんでしょうけどね。

高齢化社会において生体認証は重要になる

日本が超高齢化社会に向かって進んでいることは周知の事実ですが、そのときに悩みの一つになるのが認知症です。

寝たきりの老人介護も大変ですが、認知症で身体的には丈夫という場合は広い行動半径で引き起こされる問題が色々と出てきます。

鍵の紛失もその一つで、外出しては鍵を無くすということになると同居する家族としては不安でたまりません。

スマートフォンが使えない世代の場合はスマートロックを使えないし、そもそもスマートフォンを携帯することを忘れて外出することもあります。

そのような場合は、体一つでドアの開け閉めができる生体認証機器が一つの解決策になります。

国産メーカーが手の届きやすい価格でそのような製品を販売して欲しいと切に願います。

どんな製品にも弱点はあることを踏まえて対処方法を考えておくのが重要

今使っているiPhone6には指紋認証機能が搭載されており、ホームボタンに指紋登録した指を載せればiPhoneのロックが解除されます。

しかし指紋認証を有効にしていても、従来通りのパスワード認証が使えます。

安全性を考えれば指紋認証のみ有効にすべきですが、ハードウェアが故障するなど何らかの理由で指紋認証が使えなくなったときのために従来通りのパスワード認証も残す必要があるのです。

スマートロックでも指紋認証でも必ず弱点があります。これらの製品を使う場合は最悪の状況を想定し、対処方法を考えてから導入することによって利便性を生かしつつ万が一の場合に備えられます。

例えば一戸建てなら正面玄関にスマートロックや指紋認証を導入しつつ、裏口は従来通りの物理鍵を使うといった運用を考える必要があります。

画期的な製品には未来を感じますが、課題を見極めて対策を考えた上で利用する必要がありそうです。

akerun

3 件のコメント

  • […] 各社ともそのような課題に対して何らかの答えは持っているかもしれませんが、少なくともスマートフォンを無くしたときに何らかの問題が発生することは避けがたいです。 引用元-IWAIMOTORS BLOG […]

  • そもそも自宅にオートロックをという発想自体が日本ではまだ一般的ではありませんからねぇ。大手はわざわざニッチに切り込まず、一定以上の需要があると判断したら扱ってる中小を買い上げるのが常

    これからですよ。少なくとも韓国、シンガポールでは一般的で大手も参入していますから

    • コメントありがとうございます。確かに日本ではオートロックそのものが普及していないですね。ホテルのドアぐらいしかオートロックな印象がないです(笑)

      海外でも同様かと思ってましたが韓国やシンガポールでは大手も参入してるんですね。クラウドファンディングだと理想は高く、品質は低い製品も多いので、信頼性の高いメーカーに製品を出して欲しいところです。待ちの段階ですね。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    ダンボールアーティスト/ブロガー。会社員だった2014年にテレビ局、ディズニーからダンボールアート制作の依頼を受ける。2015年からは独立し、ダンボールアート制作、ライティング、プロダクトデザインなど多方面で活動中。詳しくは、プロフィール・実績をご覧くださいまし。