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アップルの新製品発表会で予想通り登場した大型タブレットiPad Proですが、本体だけでなくオプションのペンシルもかなり性能も良さそうです。
クリエイターから見たiPad Proの魅力について考えてみました。
Table of Contents
iPad Proの特徴
これまでのiPadは24 x 17cmで、片手で持てる大きさや重さになっていますが、iPad Proは約30 x 22cm(ディスプレイサイズは12.9インチ)というノートパソコン並みの大きさ。
片手で持って操作できたこれまでのiPadシリーズとは違い、iPad Proは机など安定感の高い場所で使うことが基本。
iPad Proの大きな画面サイズ(解像度2,732 x 2,048ピクセル)は写真加工ソフト、グラフィック系ソフト、ドロー系(お絵かき系)ソフトでの作業が捗りそう。
アップルはiPad Proと同時にペン型入力機器Apple Pencilと専用キーボードSmart Keyboardも発表しました。
Apple Pencilはいわゆるスタイラスですが、iPad Pro専用です。
筆圧の強弱によって線の太さが変わったり、ペン先を傾けることで濃淡を加えることができます。
通常、タブレット上で指やペンを滑らせたときには、ほんの少し遅れて描画が行われます。
コンマ何秒という程度ですが、この一瞬の遅れが絵を描くときの爽快感や勢いを妨げます。
iPad Proでは反応速度を徹底的に向上させ、この時間差を「限りなくゼロ」にしているといいます。これは実際に製品に触れて確かめたいところです。
iPad用のオプションとしてキーボードも発表されましたが、これもスタイラスと同様にiPad用としては初めてのオプションです。
iPad Proぐらいの画面サイズになるとパソコン代わりとしても快適に使えるので、そのような用途も見越してのキーボードということですね。
マイクロソフトがタブレット型パソコンSurfaceを販売しており、iPad Proはこれに酷似していることから露骨なSurface対抗製品とも言われています。
クリエイター御用達、ワコムのタブレット製品
一般的にはタブレットというとiPadのような端末を指しますが、クリエイターの世界ではワコムのペンタブレット製品が有名。
大別して、パソコンに接続して入力機器として使うペンタブレットIntuosシリーズと、液晶画面が一体化しているCintiqシリーズがあります。
Intuosの最上位機種(Intuos Pro)は私も持っていますが、筆圧検知能力が素晴らしく繊細な力の強弱を読み取ってくれるので、デジタル上で直接絵を描いたり、フォトレタッチ(写真加工)を行うときには欠かせません。
CintiqにはWindows OSがインストールされたCintiq Companionと、外付ディスプレイとして利用するCintiqがあります。
最新機種のCintiq Companion2は、Windows OS搭載のタブレット端末としてだけではなく、Windows/MacにUSB接続してIntuosのようなペンタブレットとしても利用できます。
Cintiq Companion2はノートパソコンサイズ(表示サイズ13.3インチ)でマルチタッチ(画面を直接触って操作)も可能なので、外出先では単体で使い、会社や自宅では大画面のパソコンに繋いでペンタブレットとして利用可能です。
Cintiqは外付ディスプレイとして据え置きで利用するもので、画面サイズも13、22、24、27インチと大きな画面サイズを用意しており、マルチタッチ対応機種もあります。
携帯型、据え置き型、マルチタッチ対応、Windows OSインストールモデル、Macとの接続性など、あらゆる状況を想定して製品を取り揃えていることがわかります。
IntuosとCintiqは画面搭載の有無が大きな違いですが、ペンタブレットの感触にも大きな差があります。
プラスチックの表面でペンを滑らせるIntuosにはザラついた感覚があり、これが紙とペンの感触に近いのですが、Cintiqはガラスにプラスチックのペンで描くため慣れるまでは違和感があります。
この点はiPad Proも同様と思われます。
iPad Proとワコムのタブレットとの比較
iPad Proとワコムのタブレット製品の一番の違いは自社開発のOSを持つかどうかです。
ソフトとハードを一社で開発する場合は双方の特徴を踏まえて、それぞれを最適化できるという利点があります。
もちろん、それを行う企業の体力、感性、技術力など高度なものが要求されるわけですが、それを成し遂げたアップルの現在の強さは他の追随を許しません。
ワコムはこれまでアップルとは競合せず、良きパートナーとして成長してきましたが、これはアップルがこれまでスタイラスを扱ってこなかったことも一つの要因と言えます。
現状はiPad Proも登場したばかりでiPadの中だけで全てが完結しているため、幅広い製品ラインナップを持っているワコムにすぐにとって変わることは当然ありません。
しかし、アップルがこの分野に本気を出してくるとなるとワコムも心中穏やかではないはずです。
普及の鍵はソフトやMacとの連携、MacOSの搭載は理想だが難しい
iPad Proはアップルとしては新境地になるものだし、期待はしていますが中途半端さが否めない点もあります。
Windows OSが使えるSurfaceは、他のWindows搭載パソコンとデータのやりとりを行って完全にパソコンとして利用可能ですが、iPad ProはあくまでiOS機器なのでMacとの互換性に乏しいです。
アップル純正のソフトはMac OS・iOS間の連携が良くできているし、最近ではクラウドサービスも多いので、ワード・エクセル系ソフトでできる仕事や、ライター、システムエンジニアといった職種には問題はあまり無いでしょう。
ただ、iPad Proはスタイラスの性能を強調していることからもわかるように、クリエイティブ系にも訴求しています。
一方、クリエイティブ系の職種においてはiOS機器では使えないソフトも多く、ワコムのような柔軟性が無いと機器としての利用範囲が狭くなります。
Apple Pencilでクリエイティブ方面に魅力を伝える一方で、利用する側のクリエイターからすると物足りなさを感じるのです。
PhotoshopやCG・映像系のソフトは非常に多くの機能を搭載しており、プロはキーボードに割り当てられたショートカットを駆使して作業を効率化しています。
ワコムのタブレット機器にはハードウェアにも自由にショートカットを割り当てられるボタンが複数搭載されているため、クリエイターには重宝されています。
アップル製品は極力ボタン類を排除するミニマルなデザインの方向性を持っているため、ハードウェアボタンが追加されることは期待できません。
Mac派としてはiPad ProにMac OS版が出るのが理想ですが、そうなるとMacbook AirやMacbookなど、自社製品と競合してしまうため、これが実現されることは無さそうですよね。
iPad Proはまだ登場したばかりの製品ですし、アップルも市場の動向を見ながら製品の方向性を決めていくでしょうから、今後の可能性には大いに期待しています。
appleのiPadProは将来あらゆる分野に食い込む挑戦だと感じました
ご存知のようにappleはMacの高級路線で安いWindowsにやられ倒産の危機に
それを反省し1つの機器で大量生産コストアップのiPhoneで盛り返しました
appleが恐れるのはWindowsとAndroidとの複合形パソコンです
これは筆者のiPadProはパソコンでは無いと言う見解でも納得行きます
Macとの競合を回避したいappleは得意分野で他のタブレットをハードとソフト面で寄せ付けないコストアップするでしょう
将来的には小出しでMacと統合路線も
コメントありがとうございます。iPad Proはアップルに何らかの狙いがあるのは間違いないですが、それがいまいち見えないというのが正直な印象ですね。
クリエイティブ系の人達に訴求したいように見えますが、プロからみると様々な面で中途半端さが否めません。
ただ、iPhoneのときのように製品発売後に予想外にゲーム機としての利用が多いことがわかるなど、市場に出して初めてわかることがあると思われ、iPad Proにも市場の反応待ちな部分はあるのでは無いでしょうかね。
Macとの統合路線はすぐには無いと思いますが、いずれノート型が伸び悩んできたときにサプライズとして出てくるのでは無いかと期待しています(^^