自動運転車(荷物運搬用の試作車)の外装をデザインしました

agv prototype1

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昨年(2018年)、シナジックモビリティからのご依頼で、荷物運搬用の自動運転車(試作)の外装をデザインしました。

自動運転車のイメージ制作も行ったシナジックモビリティ

昨年はシナジックモビリティのウェブサイトに掲載されている、自動運転車のイメージも制作させてもらっていて、本ブログでそのことを書いています。

シナジックモビリティについて、詳しくはそちらの記事をご覧ください。

ざっくりいうと、自動運転車を活用して高効率な社会を実現する取り組みをおこなっているのが、シナジックモビリティです。

名古屋大学の河口教授がプロジェクトを統括し、東京大学や民間企業も協力して、研究開発が行われています。

本年(2019年)から実証実験が始まり、2022年には500台規模の自動運転車を用いた大規模なものへと発展していく計画です。

荷物運搬用の自動運転車(試作)の外装をデザイン

私が担当させてもらったのは、荷物運搬用の自動運転車(AGV=Automated Guided Vehicle)の、試作の外装デザイン。

試作ということで、車輪やセンサーなどは既成品を組み合わせて作られています。

ベースになっているのは、電動車椅子のユニット。そこにLiDAR(自動運転用のセンサー)などを取り付けて、AGVの試作が作られます。

今回のAGVは、外観のよいものを作りたいということでお話をいただいたわけですが、次のような制約があり、中々のハードルと感じました。

  • 内製可能な構造であること
  • 横幅はほとんど変えられない
  • 上面は荷物を乗せるため平らにする
  • センサー周辺は開口する
  • 緊急停止ボタンを操作しやすい箇所に設置する
  • 手動操作レバーを設置する

試作車両ということで、外装の実制作は内製する前提。見栄えがよければ、どんな形でもよいというわけではありません。外部に依頼せず、作れる構造であることが望まれます。

AGVは車載する前提になっていて、横幅も広げられず、上面には箱を設置するため、平らにしておく必要があります。

またセンサーから飛ばされるミリ波のようなものを遮らないように、その部分は覆わない(開口する)ようにするなど、制約は盛りだくさん。

上記のような制約を踏まえてデザインしたAGVがこちらです。

agv prototype1
agv prototype2

側面は平らにして、ベース車両ぎりぎりに寄せました。少しだけ自由度のある前部・後部に丸みを付けたのは、人が接触したときに怪我をしにくいという安全上の配慮や、柔らかい雰囲気を持たせるという印象的な理由から。

曲面部分は板を曲げるだけで作れるようにしました。車体正面にはセンサー用の開口部が2箇所。上側のセンサーは検知範囲が広範囲であるため、開口部は真横まで広げる必要がありました。

2つの開口部は、目と口のようにして少しキャラクターっぽさを持たせ、愛着を持ってもらえるようにと考えています。

手動操作用レバーと緊急停止ボタンは、後部上面に配置。左右対称の位置にして安定感を持たせ、車両の真上に荷物があるときも操作しやすいよう配慮しました。

このデザインを元に制作されたAGVの試作車両の写真がこちらになります。

agv prototype3

実制作の都合を踏まえてデザインしたとはいえ、完成度の高さに驚きました。

もう少し外側にネジとかが見えてしまうと思ったんですよね。でも考案したデザインにかなり忠実に実装していただけました。ありがとうございます。

実証実験が本格化していくと、このAGVが量産されて街の色々な場所でワサワサと走り出すかもしれません。そんな光景を早く見たいです!