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RAIDを組めばバックアップは不要と考えている人がいますが、両者は役割が異なります。データを失いたくないならバックアップは必須です。違いをきちんと理解したうえで利用しましょう。
RAID(レイド)とは
RAIDは複数のハードディスクやSSDなどを使ってデータの安全性や保存の高速化を実現する技術で、物理的に複数のディスクを1つのストレージ(データの保管庫)として扱うことが可能です。
安全性を重視するならRAID1、高速化ならRAID0やRAID5などというように、様々な種類があります。
恐ろしいのがRAID機器本体の故障。機器が壊れるとディスクが正常でもデータが取り出せないということがありえます。
安全性重視のRAID1(ミラーリング)
安全性重視のRAID1は、ディスク2本から構築可能で「ミラーリング」と呼ばれていて、2本のディスクに同じデータを保存します。
1本のディスクが故障しても残りのディスクに同じデータが保存されているので、万が一のときでも安心です。2本同時に突然ハードディスクがクラッシュすることは考えにくいですからね。
可用性(システムが継続して稼働できる能力)が問われる場合は「ホットスワップ」と呼ばれる機能が搭載された機器を使います。これにより機器の電源を止めずにディスクを交換可能です。
RAID1とバックアップの違い
物理的に異なるディスクにデータが保存されることから、RAID1をバックアップという人もいますが、両者は役割が異なります。
RAID1は同じデータが2本のディスクに保存されていて、ウイルスに感染したときや誤ってデータを削除したときには復旧できません。一方でバックアップの場合は、過去のデータが保存されているため、保存時点の状態に戻せます。
例えば一週間、毎日決まった時間に定期的にバックアップをとっていたら(ヒストリーバックアップといいます)、その範囲内の任意の時点までデータを戻すことが可能です。
稼働中のデータを失わないようにするためにはRAID1、遡ってデータを復旧するような場合にはバックアップが有効になります。
家庭内で複数のディスクを使ってバックアップをとってもよいのですが、クラウドをバックアップ先にすることでディザスタリカバリー(災害時にローカル環境を失っても遠隔地に保存したデータで復旧できる)にもなるので、より手堅い運用になります。
ということで、RAID1でデータの安全性を保ちつつ、クラウドにバックアップをとるという運用が家庭でもできる手堅いデータ運用の方法です。データを失いたくなかったら、バックアップは必須になります。
RAIDとバックアップ、両者の違いを正しく理解したうえで運用しましょう。