CGソフトでCADデータを扱うときの注意点(初心者向け)

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最近、CADデータを扱っていますが、慣れないことなので色々とはまっております。

初めてCADデータを扱う人の参考になるかもなので、学んだことを残しておきます。

CADデータの種類

CADには様々なデータ形式があり、私が知っていた形式だけでも次のようなものがあります。

  • DXF
  • IGES
  • STEP
  • STL

他にもDXG、JWC、SIMAなど、色々な種類がありますが、専門外の私にとっては聞いたことがないものばかり。

CADは「Computer-Aided Design(コンピュータ支援設計)」の略で、元々は手作業だった設計業務をコンピュータで支援して、効率を高めるという目的から生まれた言葉だそうです。

詳しくはWikipediaをご参照くださいまし。

CAD – Wikipedia

「CADデータ」といっても、建築系や機械系など、分野によってもソフトが異なり、データ形式も色々とあります。

本来の目的で使っている分にはなんの問題もないわけですが、これを別の分野で使おうと思うと難しいことになるんですね。

CADデータの応用分野

CADソフトは、主に工業製品や建築物などの設計図を作成する目的で使われますが、CADデータを本来の目的とは異なる用途で使うことがあります。

例えば車のコマーシャルを作る場合、広告会社が最初から車をモデリングをしていたら膨大な時間がかかってしまいます。

なので自動車の会社はCADデータをコマーシャル用に提供し、広告会社はそのデータを元にCGを作ります。

先頃、ハリウッド映画のCGなども数多く手がけるThe Millが「The Mill BLACKBIRD」というCGのベースとなる特殊な車両を開発して話題になりました。

映画ではCGの車が使われることが多いのですが、毎回、最初から作っていたら大変な労力がかかります。

The Millが開発した特殊車両はホイールベース(前輪と後輪の中心を結ぶ長さ)を変えることもでき、CGの車を実写に合成する際のあたりとなりますし、車両側にもカメラを搭載し、様々な情報を得られます。

英語ですが映像を見るだけでBLACKBIRDがどのように使われるかが、わかると思います。技術もだけど、発想が素晴らしいですね。

私が以前勤めていた会社では、自動車会社からの依頼で車の取扱説明書や、整備士向けの説明書などを作成していました。

そこには挿絵が使われていましたが、車の開発と説明書の作成は並行して進められるため、挿絵の元になる実車がありません(あっても機密扱いなので取説の制作会社が見られる機会は少ない)。

そんなときは自動車会社の施設で試作車を撮影し(当時はまだフィルムカメラでした)、それを元にイラスト屋に挿絵を作成してもらいます。

20年ほど前はイラスト屋も人手足りないぐらいの仕事量を抱えていましたが、今や挿絵の多くはCADのデータから作成できるようになり、仕事量は激減しました。

まあこのように色々と応用されているわけですが、CADデータは設計図そのものなので、企業としてはできるだけ外部には出したくありません。

昔は扱いもかなり厳しいものでしたが、最近では企業側の理解も進み、以前よりは提供してもらいやすくなっている印象があります。

CADデータをCG用データに変換する方法

CADデータをCGソフトで開くためには、データ形式を変換しなくてはいけない場合が多いです。

CGソフトで読み込める汎用的なデータ形式の1つがobjです。主要なCGソフトであれば、obj形式で読み込めます。

私が使っているThe FoundryのMODOというソフトも、objなら問題なし。

CADのデータ形式には、stlというものもありますが、これは3Dプリント用の形式としてもお馴染みです。

最近のCGソフトであれば、変換なしでstl形式を読み込めるものが多いです。

で、CADデータの変換方法ですが、私が知る限り、次の方法があります。

  • CADソフトで読み込んで、objなどに書き出す
  • プラグインなどを使って、CGソフトに読み込む

CADソフトは無料のものから、高額なものまで様々ですが、やはり安価なものはそれなりだったりするようです。

最初は無料のFreeCADというソフトで支給されたCADデータを開き、 obj形式に書き出しました。

FreeCAD: オープンソース パラメトリック 3D CAD モデラー

CGソフトでは読み込めたものの、データが荒く、きれいなCG画像を作るための元データとしては不十分な状態でした。

RhinocerosというCADソフトが1ヶ月半ほど試用できるということで試してみたところ、FreeCADとは違って書き出しの設定が細かくできたため、ポリゴン数を多めにして書き出したところ、使用に耐えられるものとなりました。

Rhinoceros

プラグインとしては、MODOならPower Translatorsというソフトがあります。Maya、3DSMax、Rhinoceros用も販売されています。

Power Translators for MODO

こちらも以前、別件で使ったことがありますが、対応しているデータ形式は限られているものの、CGソフト上で直接CADデータを読み込めて便利でした。

データが開けたら、後はそれほど困ることはないなと思っていましたが、全然そんなことはありませんでした(涙)

CADデータを扱うときの注意点

データがうまく変換できない箇所があったので、そちらの半面を削除して、鏡面コピーしたところ、なぜかポリゴンが黒っぽい色になり、無視して質感設定を行ってレンダリングしたところ、影響が出てしまいました。

鏡面コピーでポリゴンが破綻してしまう場合もあり、何がなんだかさっぱりワカラン状態に。

質感設定前だし、なぜ鏡面コピーしただけで色が変わったりするのか。そしてなぜポリゴンが破綻するのか。

そんなことをポツリとTwitterでつぶやいたところ、経験豊富な方から的確な助言が!

MODOにCADデータを読み込むと、UVマップのリストなどが表示されているあたりに、その他のマップとしてSurface Normalなるものが読み込まれているではないですか。

他のソフトのときにはどうなるか不明ですが、MODOの場合はこれがもれなく付いてくるようです。

Surface Normalは法線情報を含んでいるらしく、削除せずにポリゴンを編集すると、色が変わったり、破綻したりするとのこと。

なのでCADから変換したデータを使う際、そのまま、全く手を加えないのなら問題はありませんが、ポリゴンを編集するならSurface Normalを削除しないとデータがおかしな状態になりえます。

ちなみにSurface Normalを削除しただけでポリゴン配列が美しくない部分に歪みなどが生じることがありました。

なのでSurface Normalを削除したときは、まずはデータに問題がないかをきちんと確認する必要があります。

一番怖いのが、ポリゴンは大きく破綻していないけれど、拡大すると歪んでいたりするところ。

色によっては、歪みがわからなくなってしまうので、簡単な質感をあてて確認しないといけないです。

50万円以上する高額なCG・CADソフトは利用したことがありませんが、経験者のお話ではやはり高いものはそれなりに性能も良かったりするようなので、まずは試用版でどんな感じなのかを確かめてみたいところです。

今回は勝手がわからず、質感設定をある程度行った後でポリゴンの歪みに気が付いて、改めて読み込み直したりと手戻りが非常に多くなってしまいました。

次回からCADデータを扱うときは、質感設定前に十分に確認し、データをクリーンにしなくてはと肝に銘じたのでした。何事も経験が大切ですな。

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