素人は護身術をやらない方が良い理由と素人でもできる最高の護身術

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素人の護身術は役に立ちません

学生の頃、多くの時間を空手の稽古に費やしていました。数年間、それなりに真剣に取り組みましたが満足できたことはほとんどありませんでした。

ある程度の武道経験があったとしても、突然暴漢に襲われてまともな対処ができる人は少ないでしょう。ましてや素人が中途半端に護身術を習ったとしても、そのような場面で役に立つことはありません。

にわか仕込みの技など簡単に出るものではない

空手をやっていた頃、先輩から「道場横綱」という言葉を聞きました。道場では強いのに試合の結果が出ない人のことです。稽古は勝ち負けではなく、気負いなくできますが、試合の場合は緊張感が違います。結果を出そうと思ったら、中途半端な練習ではまず無理です。

私の流派は急所(金的)以外には防具を付けず、素手素足での勝負でした。試合は体重無差別で競います。顔も名前も知らない人「はじめ!」の合図でガチンコ勝負です。体のできあがった大人の男同士が全力で突き合い、蹴り合います。そりゃあ緊張します。極度に緊張すると、それだけで息があがることもあります。

度胸があり、練習の成果が比較的出やすい人もいますが、ある程度のレベルにまで達すると天性のものだけでは難しく、それなりの練習が必要になります。

年齢とともに力は徐々に失われ、持久力も落ちます。でもそうなっても残るものはあります。それは精神力です。痛く、辛く苦しい稽古を重ねた結果、何かが起こったときにも動じない平常心が身に付いていきます。

私はいまでも小心者で、そこまで心を練ることができていませんが、そういうものだという学びは得ました。長い年月をかけて修行し、初めてどのような状況でも冷静な対応ができるようになるのでしょう。

普段は男勝りで元気な女性が、痴漢にあったときは怖くて声が出せなかったなどということがあります。虚を突かれると、どうしようも無くなることもあるわけですが、これは男性でも同じです。

後ろから抱きつかれた腕をこのように動かせとか、かかとで相手の足の指を踏めという類の護身術がありますが、それは平常心のある練習のときだからできるのです。

にわか仕込みの護身術で咄嗟にそのようなことができるものではありません。大切なのは技ではなく、心です。

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中途半端な技は相手を激高させる危険性がある

大学のときの知人が、ある日、暴漢に襲われました。ファーストフード店でずっとアルバイトをしていた彼は、店からの信頼も厚く、お金の管理まで任されていました。

夜になってお店を閉じ、その日の売上を夜間金庫にまで預けに行くのが彼の仕事でした。しかし強盗がそれを狙っていました。いつもの夜間金庫への道の途中で突如現れた男に側頭部を殴打され、現金を奪われてしまったのです。

幸い、知人は大怪我もなかったのですが、数日後、現場を見に行って背筋が凍りつきました。犯人が潜んでいたと思われる建物の隙間に鉄パイプのようなものが転がっていたのです。

犯人のものかどうかはわかりませんが、知人が中途半端に抵抗をしていたら、反撃されて重傷を負っていた可能性もあります。何事も中途半端は怖いのです。

その場を制したとしても、あまり良いことは無い

武道や格闘技の経験は無くとも、体格に恵まれ、腕っぷしが強く、度胸もあるという人はいます。そんな人は暴漢に襲われたら、相手を完膚なきまでに叩きのめせば良いでしょうか。

その場では返り討ちにして、意気揚々とした気分かもしれませんが、後日仕返しされるかもしれません。本人にはかなわないとみるや、身近な人に危害を及ぼす可能性もあるでしょう。

「窮鼠猫を噛む」という言葉があります。追い詰められた人間は何を行うかわからないのです。

最高の護身術は「君子危うきに近寄らず」

これまでに仕事やプライベートで、何回も海外に行ったことがありますが、嫌な思いをしたことはほとんど無く、いい思い出ばかりが残っています。仕事の場合を除き、航空券だけを購入しての旅行ばかりで、パックツアーのようなガイドはいません。

自分の行動は全て自分で決めています。ボロボロのTシャツを着て、バックパッカーをしたこともあれば、一人で鉄道旅行をしたり、現地でレンタカーを借りて車で旅したこともあります。

もちろん運がよかったということもありますが、自分自身が嫌な思いをしないように心がけていたことがあります。それは事前に情報収集し、夜間の行動は極力控えたり、危険な場所には近付かないようにするということです。これは国内でも同じことです。

日本は世界でもトップクラスの平和な国で、若い女性がまともに立てないほど酩酊して一人で歩いていたり、飲み過ぎて駅や道ばたで寝てしまっている人を目にすることがありますが、他の国でそんなことをしていたら、非常に高い確率で犯罪の被害に遭うでしょう。

普段から注意を怠らないことが、最高の護身術になります。

6 COMMENTS

一条哲矢

最高の護身術は「君子危うきに近寄らず」そうですね。

いわい

コメントありがとうございます。はい、もう、それに尽きると思います。これを踏まえていれば、危険を回避できるということは多いですよね。

海獣先輩

全くもっておっしゃる通りです。護身術は技云々ではなく逃げ方やこういう状況が危険だから気をつけろという事を教えるべきですね。
ちょっと技を身につけた素人が下手に自信を持つのが寧ろ危ないと思います。私なんかそうですが、格闘技やってる人でも武器持ってる素人に苦戦するぐらいですから。

いわい

コメントありがとうございます。おっしゃるとおり、武道や格闘技を少し習った程度の人が一番危険ですね。私の道場では「刃物を持った相手に勝てると思うな」と繰り返しお話されていました。万が一、危険な状況に遭遇した時は、走って逃げる方が賢いですね。

逃げるが勝ち

柔道初代、合気道初代です。
おっしゃる通りだと思います。
柔道は投げ技でもつれ合いで怪我が絶えないですし合気道はそれなりに真剣に取り組みましたが道場稽古のようにあんなに綺麗には決まりません。
仮にも武道経験者ですらこの有り様なのですから素人の生兵法こそおっかない考えはありません。
本当に御説ごもっともです。
護身用の22口型の正しい扱い方を教えて携行するが無難かと思います。

いわい

コメントありがとうございます。武道経験がおありだと、ご理解いただけることも多いかと思います。道場は精神や身体の鍛錬を行う場所であり、覚えた技を外で使わないといけないようなことがないようにしないといけませんよね。

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